府教委は、12月23日に「府立高校再編整備方針(R5~14)(案)」、1月23日に「府立高校再編整備計画(R5~9)(案)」を発表し、3月の教育委員会会議で最終決定するとしました。これに対し、大阪の高校を守る会は,以下の見解を発表しました。
「府立高校再編整備方針(案)」「府立高校再編整備計画(案)」の撤回を求める
2022年1月23日
大阪の高校を守る会
大阪府教育委員会は1月23日、「府立高等学校再編整備計画(令和5年度から令和9年度)(案)」(=「計画案」)を示し、「様々な意見を踏まえ、3月の教育委員会会議で最終決定する」としました。これは、12月23日の教育委員会会議で公表された「府立高等学校再編整備方針(令和5年度から令和14年度)(案)」(=「方針案」)の前半5年について具体化するもので、2023(令和5)年度から2027(令和9)年度の5年間に「9校程度の募集停止を公表することとする」としています。
「方針案」は、今後10年間の少子化で、府内公立中学校卒業者は、67,110人(令和5年)から57,060人(令和15年)に約1万人減少するとし、令和15年度選抜での公立高校の総募集人員を、31,520~32,240人(788~806学級相当)と試算、令和5年度との比較で5,415~6,135人減少するとしました。これを受けて「計画案」では、5年後の令和10年度選抜時の公立高校総募集人員を35,360~34,920人と試算、令和5年度との比較で2,295~2,735人(57~68学級相当)減少するとし「9校程度の募集停止」が必要としています。
しかし、府教委の試算には道理がありません。府教委は、「1学級40人、1学年6~8学級(試算は7学級で計算)」を前提に試算を行っていますが、これは諸外国や他府県に比べてきわめて劣悪な教育条件です。
コロナ禍で一時的に実施された「20人学級」の経験を経て、あらためて少人数学級を求める国民世論が高まり、自公政権も35人学級の小学校全学年への段階的拡大に踏み出しました(来年度から小学校4年生に拡大)。府教委も、エンパワメントスクールや工科高校では35人学級を実施し、多様な教育実践校ではさらに少人数のクラス編成を打ち出すなど、少人数学級の効果を認めています。観点別評価など新たな対応も求められる中、一人一人に行き届いた教育を実現するためには、OECD標準の20人学級に向けて、35人学級、30人学級など、すべての府立高校で少人数学級を実施すべきです。
府教委の数字をもとに「37人学級」で試算を行えば、令和10年度の学級数は令和5年度とほぼ変わらず、募集停止などまったく必要ありません。令和15年度の試算を「34人学級」で行った場合も令和5年度の学級数とほぼ同じです。現在の学校数を維持すれば、5年後に全校で「37人学級」が、10年後には「34人学級」が実施可能となります。「募集停止案は、少子化のもとで生じている教育条件改善のチャンスを自ら放棄し、将来にわたって子どもたちに詰め込みの40人学級を押しつけるものに他なりません
また、全国の公立高校の過半数は1学年6学級未満であり、「6~8学級」の基準にも道理がありません。さらに、中学3年生12月の進路調査では約8割が公立進学を希望する一方、毎年の入試では「定員割れ」を大きく上回る「不合格者」が出ており、必要なのは公立受け入れ数の減ではなく、受験競争の緩和です。
大阪の高校を守る会は、道理のない高校つぶしをすすめる「方針案」「計画案」の撤回を求め、2月府議会に向けた請願署名(オンライン)など、とりくみにに全力をあげます。
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