大阪の高校を守る会は、11月10日(金)午後3時から、「道理のない高校つぶし(案)は撤回を 西野田工科高校(全定)、布施工科高校・城東工科高校、生野工業高校の募集停止に反対する署名」の府教委への提出行動を行いました。9月中旬から2ヶ月という短期間にもかかわらず提出時点で9575名分の署名が集約されました。署名の搬入は続いており、今後もさらに集約が進むことが見込まれます。
提出行動には、当該校の卒業生や旧職員の他、大商連、大阪労連、大教組などの団体の代表も参加し、府教委案の道理のなさを厳しく追及しました。府教委から出席した高校再編整備課の幡中課長が署名を受け取り、「来週の教育委員会会議に報告する」としました。一方で府教委は、13日(月)午後2時からの教育委員会会議で、「案」の正式決定を強行しようとしています。守る会の署名は、今年度分を含めた累計では、すでに20万名を超えて提出されています。署名に寄せられた府民の切実な声を無視しての強行はあってはならないことです。
道理のない高校つぶしの強行やめよ!
提出行動に先立って守る会は、同日11時から記者会見を開き、改めて、府教委案の問題点を明らかにしました。それは、第一に、子どもたちの学ぶ権利保障のために設置されている府立高校の「定員」には「ゆとり」ががあって当たり前であり、それを理由にした廃校案には道理がないこと、第二に、ものづくりの街大阪の産業の担い手を育てている工業系高校をつぶすことは大阪の産業そのものをつぶすことにつながること、第三に、当該校の募集停止は、様々な困難の中で高校進学を願う子どもたちから学ぶ場を奪うものであることです。理不尽な条例は抜本的に見直し、大阪の産業の担い手を育てている工業系高校を維持するとともに、少子化をチャンスにすべての府立高校の教育条件の改善こそ行うべきです。
卒業生・旧職員・団体代表など10名が発言!(参加者の発言・要旨)
◆守る会・奥野会長
ものづくり産業が中心の大阪でその担い手を育てる工科高校・工業高校を、ただ定員に満たないと言うだけでつぶして良いのか?大阪の産業をつぶしかねない計画は撤回すべきだ。
◆西野田工卒業生
昭和46年電気科卒。報道を聞いて憤りを覚えた。定員割れという決め方は機械的すぎる。技術を身につけたいという中学生はゼロではない。少子化なら少人数学級にすべきだ。
◆西野田工卒業生
工業デザイン科卒。明治40年創設の伝統校として、大阪のものづくりを支えてきた底力を持つ学校。女性の社会進出が困難だった当時、デザイン科は女性の働き方を広げてくれた。
◆布施工旧職員
商工会議所の方から、廃校になれば東大阪・八尾の地域に大きな悪影響が出る。ひいては府全体の経済を低下させると意見が。生徒数の何倍もの求人。産業界の要請を無視するのか。
◆布施工旧職員
旧職員5名で卒業生や旧職員に署名を送付し協力を要請した。集まった署名と「ひと言」を手交する。
◆生野工旧職員
当時、中学では不登校だった子がほとんど休まずに来た。少人数の実習でのコミュニケーションがあったからだ。3校統廃合の時期がはっきりしない中で先行して募集停止は大問題。
◆大阪商工団体連合会・小迫副会長
布施工も西野田工もロマンと夢を語れる学校。増やすことはあっても減らしてはならない。
◆大阪労連・嘉満事務局長
府立高校は府民の財産。条例だけで切り捨てるな。カジノや万博でなく中小企業が元気になることが府をよみがえらせる。保護者・住民の反対の声に真摯に耳を傾けよ。
◆大教組・米山書記長
条例で高校がなくなっていくのが子どもたちにとって良いことなのか?工科高校は教職員が多く子どもたちに目が届く学校。救われた子も多い。子どもたちの選択肢を減らすな。
◆守る会・志摩事務局長
府立高校の「定員」は「超えてはならない人数」であって「学校運営に必要な人数」ではない。それをはき違えた条例は見直すべきだ。理不尽な条例で子どもたちの学ぶ場を奪うな。
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