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「特別休暇・特殊勤務手当の見直し」に対する府労組連見解(2010年1月)

2010.04.27

「特別休暇・特殊勤務手当の見直し」に対する府労組連見解

2010年1月26日

【一】府当局は、昨年12月21日、 府労組連に対し「特別休暇・特殊勤務手当の見直し」を提案しました。この提案は、職員・教職員の切実な要求である勤務時間短縮には触れず、これまで労使で 築いてきた到達点を一方的に反故にするとともに、母性保護や子育て支援の制度の大改悪は、人間らしく働く権利を奪うものでした。 

 この提案に対し、職場から不安と怒りの声が爆発し、たたかいは大きく広がりました。また、今回の改悪提案の撤回を求める要請を府民団体や全国の民間労働者をはじめ、自治体労働者・教職員に行う中で、府民や全国の働く仲間とも共同したたたかいに発展しました。

  これを背景に府労組連は、数次の折衝・交渉を行い、切実な職場実態や怒りの声を当局にぶつけ、提案の撤回を強く迫るとともに、全職場集会・職場決議、全職 員・教職員署名、怒りの一言、早朝門前宣伝、駅頭宣伝、学習意思統一集会、決起集会など、かつてない集中的な取り組みを展開しました。とりわけ、1月24日(日)には、青年や子育て世代の職員・教職員が中心となり「特別休暇改悪提案に怒るパパ・ママ緊急大集合」を開催し、150名の参加で、たたかう決意をいっそう固め合いました。

  当局交渉では「職員の勤務意欲を低下させるだけで何のメリットもない」「妊娠や出産を病気扱いすることは間違い」「保育休暇は仕事も子育ても両立させるう えで必要不可欠」「特別休暇改悪よりも勤務時間の終業時15分短縮を実現すべき」「業務実態を無視した特殊勤務手当改悪は認められない」と当局を徹底的に 追い詰めました。

【二】府労組連のたたかいは、当局のかたくなな態度を押し返して、生理休暇・妊娠障害休暇を特別休暇として存続させ、夏期休暇日数の削減を許さず、実質拘束時間の短縮につながる勤務時間の15分短縮の方向性を明らかにさせ、さらには09年府人勧告による月例給・住居手当(持ち家)の引き下げを4月以後も実施しないことなどの回答を引き出しました。

 しかし、長年の労使協議と双方の合意によって築いてきた特別休暇、特勤手当について、その個別の意義や必要性の検証をおこなうことなく、「国基準」など新たに持ち込んだ一方的な基準で見直すという点において、改悪の根本的性格は何ら変わっていません。

  とりわけ、保育休暇を廃止することは、職場の最も強い要求に背を向けるものであり、到底、受け入れられないものです。また、流産や特産休について、その取 得が昇給などに影響する病気休暇扱いにすること、家族休暇を廃止することも女性差別撤廃や男女共同参画という世界と時代の流れに逆行し、民間にも拡大して いくという大阪府の役割からも絶対にあってはならないものです。

 また、特勤手当改悪についても、提案を一部修正する回答が出されたものの、現場実態を根拠に当局もその支給を認めてきた手当創設の経緯や労使合意をふみにじるものです。

【三】府労組連は、時短の早期実現に向け、引き続き折衝・交渉を行います。保育休暇廃止の撤回を求めるとともに、廃止によって失われた残る15分の実質的回復をめざす取り組みをすすめます。また、流産や特別産前産後休暇を病気休暇に改悪したことに伴い、国や他府県を下回る病気休暇制度の実態改善や賃金面でのペナルティ、取得手続き上の不利益をなくす方向での対府、対人事委員会へのとりくみをすすめます。

 今回の特別休暇、特殊勤務手当改悪の根源に、橋下知事が進める大阪維新プログラム案と日本における「ルールなき異常労働」があります。

  府労組連は、2010春闘において、労働者派遣法の抜本的改善や1000円以上の最低賃金の実現、安心して働き続けながら子どもを生み育てることができる 労働条件の実現めざし民間と公務の共同を進めます。また、自己責任と互助を府民に押しつけ、福祉・医療・教育をすすめる大阪府の役割を放棄し、大阪府解 体、関西州を進める橋下府政の実態を広く府民に知らせ、大阪維新プログラム案の撤回と橋下府政転換の闘いを引き続き強化するものです