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高校つぶし決定に対する抗議声明

2016.11.18

大正高校・泉尾高校、西淀川高校・北淀高校の統廃合決定に抗議し、
道理のない高校つぶしの撤回を求める(声明)

 大阪府教育委員会は、11月18日に教育委員会会議を開催し、9月5日に公表した「府立学校条例・再編整備計画に基づく実施対象校及び再編整備の手法」の決定を強行しました。その内容は、志願倍率を理由に、大正高校と泉尾高校、西淀川高校と北淀高校をそれぞれ統廃合し大正高校と西淀川高校を廃校にする、能勢高校を豊中高校の分校にするなどとなっています。池田北高校、咲洲高校に続く高校つぶしであり、「3年連続定員に満たない高校でその後も改善の見込みがないと認められるものは再編整備の対象」とする府立学校条例、「2018年度までに府立高校、大阪市立高校あわせて7校程度を募集停止」とする府教委の再編整備計画を根拠としたものです。これは、以下の点から極めて不当です。
 第1に、府立高校を減らすことに合理的根拠はありません。府教委は「少子化」を理由にあげていますが、府内中卒者数は2009年度の約7万人を底にいったん増加し再び減少していますが、再編整備計画の完成年度である2018年度でも7万人を下回ることはありません。その後も、6万5千人程度で下げ止まると予測されており、高校を減らす必要はありません。「少子化」をチャンスと捉え、全国一大規模となっている学校規模の縮小、エンパワメントスクールのみに導入されている35人学級の全府立高校での実施など、教育条件の整備こそおこなうべきです。
 第2に、「定員に満たない」ことを理由に高校つぶしを行うことには、一片の道理もありません。9月府議会でも明らかになったように、府立高校の募集学級数は、セーフティネットの観点から、進学予定者数を上回る数で募集されており、「志願者が定員に満たない学校」が生ずるのは必然です。学区撤廃によって受験競争がいっそう過酷となる中、これらの学校は、勉強につまづいた子どもたちの「受け皿」として重要な役割を果たしています。廃校にすれば、高校で学びたくても「行き場のない子」が生み出され「学ぶ権利」が侵害されます。また、募集停止をちらつかせ、府立高校を生き残りをかけた「生徒獲得競争」に駆り立てることが、教育を大きくゆがめ、教職員の多忙化の元凶ともなっています。府立学校条例の規定はただちに撤廃すべきです。
 第3に、募集停止当該校の生徒、卒業生、父母、地域住民など、府民の強い反対を押し切っての高校つぶしは断じて許せません。11月16日、大阪の高校を守る会は府民から集約した1万1972名に上る統廃合反対署名を提出しました。そこには、「大切な学びの場を奪わないで」「地域になくてはならない学校をなくさないで」との切実な思いが込められており、無視することは許されません。効率最優先で、競争と自己責任を強いる教育政策を、転換し、子どもたちや府民の願いに応える教育行政が求められています。
 府高教は、道理のない高校つぶし決定を強行した府教育委員会に断固抗議するとともに、大阪の高校を守る会など父母・府民との共同をいっそう発展させ、撤回に向けたたたかいに全力をあげます。