2009年11月25日
大阪府教育委員会
教育長 中西 正人 様
大阪府立高等学校教職員組合
執行委員長 志摩 毅
高校卒業予定者の就職保障に向け、緊急対策を求める要請書
厚生労働省は11月4日、2009年度の高校・中学新卒者について、9月末現在の就職内定状況等を発表しました。それによれば、今年度の高校卒業予定者の就職内定状況は、2003年前後のいわゆる「就職氷河期」と同程度の低水準まで落ち込む厳しいものとなっています。
就職内定率は、前年同期比で37.6%と13.4ポイント下回り、内定者数・内定率ともに最大規模の落ち込みとなっています。男女別では、男子の42.6%に対して、女子は31.3%にとどまっており(全国平均)、男女間の格差も依然、深刻な状況です。
府立高校においても、私たちが行った「高校生の就職内定実態調査」(10月末)で、求人数は昨年に比べて約50%、内定率は67.3% となっています。この時期でこのような低い内定率は、過去にもないことです。高校現場からは、「求人件数が減った上に高倍率で、二次募集もほとんどない。 新規高卒者の就職を取り巻く環境は悪すぎる」「製造業を中心に求人数が急減し、就職希望者の選択幅が小さくなっている。特に二次試験以後は選択の余地が無 く、紹介するのに困難さがある」「女子が希望する職種がない。内定をもらえない」などの声が上がっています。
このままでは、就職したくても就職できずに卒業する生徒が多数生じるという、大変な事態が予測されます。いま、このような状況の中、不安で一杯な状態で勉学に励んでいる就職未決定の高校生たちに、行政として緊急の対策を行うことが求められています。
貴職におかれましては、すべての高校生が夢と希望をもって社会に巣立っていくことができるよう、下記事項の実現に向け、関係部署とともに、緊急の対策を講じられますことを強く要請します。
記
1.高校卒業予定の就職希望者全員が就職できるよう求人を拡大すること。
①府教委としての職員募集に際して、高卒者の枠を拡大すること。
②30人学級の早期策定、教諭外職種の退職不補充中止など、教育分野の雇用創出を行うこと。
③府内企業・経営者団体及び公的機関に高卒新規採用の拡大を働きかけること。
④中小企業や大阪の伝統的産業地場産業が高卒生を新規採用できるよう支援策を講ずること。
2.学卒未就職者に対する支援を行うこと。
①就職ができないまま卒業する生徒(高校生)が、卒業後に有給で技能・資格取得のための職業訓練を受け、将来の就職につなげていくための支援策を早急に具体化すること。
②高校生の就職保障に奮闘する学校現場の教職員を支援する施策を早急に具体化すること。
以上
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