道理のない高校つぶしは撤回を!
府教委は8月30日の教育委員会会議で、「大阪府立高校・大阪市立高校再編整備計画(2019(平成31)年度から2023年度)」(案)と、同計画の「平成30年度実施対象校(案)」を公表し、「様々な意見を踏まえ11月の教育委員会会議で最終決定する」としました。その内容は、中卒生の減少を口実に、来年度から5年間で新たに「府立高校・市立高校あわせて8校程度の募集停止」を行おうとするものです。これは、「少子化」のもとでも教育条件改善に背を向け、子どもたちに過酷な受験競争を強い、「学ぶ権利」を奪う、道理のない高校つぶしであり、断じて容認できません。
◆「8校募集停止」は必要ない
府内公立中卒生の数は、2009年度に7万人となり、その後約7千人増加した後、再び減少に転じて、2018年度に7万人、今後は6万5千人程度まで減少して下げ止まると推計されています。「計画」は、「昼間の高校」(全日制、多部制単位制ⅠⅡ部、昼夜間単位制昼間部)の計画進学率を「93・9%」、公私受け入れ比率の公立分を「66・7%」(それまでの「7:3」が自由化された2011年度から昨年度までの平均値)として、2024年度(「計画」最終年度)の公立総募集定員を40560人と試算、これは2009年度の45000人から▲4440人(▲111学級)減となるので、15校程度の募集停止が必要であり、すでに府立6校、市立1校(2減1増)の廃校方針が決定されているので、今後「8校程度の募集停止」が必要としています。
しかし、これは「1学級40人」「1学年7クラス」を不動の前提としているからであり、仮に府教委の計画進学率や公私比率を前提とした場合でも、他都道府県ですすんでいる「35人学級」や全国平均である「1学年6クラス」で計算すれば、学校を減らす必要は全くありません。「少子化」のもとでせっかく生まれている教育条件改善のチャンスを自らつぶし、保護者・府民の願いに背を向ける「計画」は撤回すべきです。
◆公立高校の定員は「ゆとり」があって当たり前
「3年連続定員割れで再編整備」の理不尽な条例は撤廃せよ
府教委は2014年度以降、池田北・咲洲・西淀川・大正・柏原東・長野北の6校の府立高校の募集停止・廃校方針を決定し、能勢高校の分校への格下げを強行しました。この背景にあるのは、「3年連続定員割れで再編整備」の府立学校条例です。また、大阪市も、南・西・扇町の3高校統廃合(22年度~)と公設民営中高一貫校(水都国際)の開校(19年度~)を決定しています。
「学ぶ権利」保障のための公立高校の定員に「ゆとり」があるのは当たり前です。理不尽な条例の撤廃と、高校つぶし計画の撤回を求める府民的運動が求められています。府高教は、大阪の高校を守る会と連携し、とりくみに全力をあげます。
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