大正白稜高校・福泉高校の募集停止決定に抗議する(声明)
2024年11月11日 大阪の高校を守る会
大阪府教育委員会は、本日11月11日の教育委員会会議で、8月26日に案として公表した大正白稜高校・福泉高校の2026年度からの募集停止案を正式決定しました。これは、以下の点からきわめて不当です。
第一に、そもそも府立高校は、就学セーフティネットとして定員に「ゆとり」が設定されており、必然的に生じる「定員割れ」を理由に廃校にするなど道理がありません。
第二に、大正白稜高校は2018年に大正高校・泉尾高校の統廃合でつくられた学校であり、わずか6年での募集停止決定は無計画極まりありません。大正区では、泉尾工業高校も廃校方針がすでに決定されており、区内に3つあった高校がゼロになります。経済格差が拡大するなか、地域には自転車で通える高校が必要です。こうした観点から2校の募集停止は地域の子どもたちの「学ぶ権利」を奪うものです。
第三に、府教委の再編整備計画は、「1学級40人、1学年7クラス」を前提に募集停止が必要としていますが、諸外国や他府県では少人数学級が進んでいます。子どもたちの不登校が増大し、一人一人に丁寧な教育が求められている今、少子化をチャンスと捉え、少人数学級、学校の小規模化など教育条件の改善こそ行うべきです。
大阪の高校を守る会は、募集停止案の公表を受けてただちに反対署名を提起し、府内各地で駅頭・街頭宣伝を行うなど集約をすすめ、11月8日、5,450名分を府教委に提出しました。提出行動では、大正白稜高校の地元住民から「海と川に囲まれた大正区で避難所となっている学校をなくすなど防災上許せない」、堺市の中学教員から「毎年、堺市から福泉高校に進学している子どもたちの行き場がなくなる」など、存続を求める意見が出されました。こうした声を無視し、府立学校条例ありき、40人学級・大規模校ありきで高校つぶしを決定した大阪府教育委員会の態度はきわめて不当です。
一方、本日の教育委員会会議で、森口久子委員は「改革は曲がり角に来ている。わずか6年で募集停止になったことは重大に受け止めるべきだ。現場は教員が少なく不登校が増加している。従来の多人数での学校は成り立たなくなっている。条例があるとしても現場に即して考え直さなければならない」と意見を述べ、募集停止案に賛成しませんでした。また、9月府議会では、与党会派からも「府立学校条例は見直すべきではないか」との質問が出されています。2012年に制定され、2014年以来の道理のない高校つぶしの元凶となってきた府立学校条例、府教委の再編整備計画の矛盾と破たんは明らかです。
大阪の高校を守る会は、この間のねばり強い運動がこうした情勢の変化をつくり出していることに確信を持ち、府立学校条例の抜本改正、道理のない高校つぶしの撤回、すべての府立高校の教育条件改善を求め、2月府議会への請願書提出に向けて、引き続き、オンライン署名を中心とした世論形成に全力をあげます。
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